クリニックを開設する

今いる環境を変えようと思えば、医師の皆さんの場合には他の病院で働くか自分で開業するかということを考えるものです。特に医師経験が5年ほど経過すれば、結婚をしたり家族が増えたりして、今後のライフプランについても考え始める時期です。
そうすると少しでも家族との時間を作るために、夜勤のある勤務医の仕事は離れたいと考えることもあるものですし、自宅の近くで仕事をしたいと考えることもあるかと思われます。そうした場合、開業という選択肢が現実的になってくることもあるでしょう。
とはいえ、開業というのは決して簡単なことではありません。
今いる現場を離れるためにはしっかりと引き継ぎをすることが必要になります。医師や患者との関係が悪くなって離れてしまうと、今後の仕事にも支障をきたす可能性がありますので、離職については慎重に取り組むことが重要です。ただし、それと並行して開業場所の選定や、資金の準備も行わなければなりません。
このように独立して開院するというのは決して簡単なことではなく、しっかりと計画をして準備を進めることが重要になります。まず開業までどの程度時間をかけるのか、そして開業した際にどのような診療をクリニックの特徴とするか、そしてどういったクリニックを作りたいのかということをしっかりと考えてビジョンを作っていくことから始めることが大切です。

クリニックを開設する際の内装図面

クリニック開設には、多くの方が資金計画や診療科目など、ご自身が具体的に関わることについて注目をします。しかし、意外と忘れがちでありながら大事にするべきことが、どういったクリニックにするのかということで、それに伴って院内の図面も大事になってきます。
例えば郊外の場合には車で来院することが多くなるので、駐車場を多めに確保することが大事になってきます。また、採光が悪く外から見ても中にいても暗く感じるような設計であれば、患者様は遠のいてしまいます。
こういった患者目線からの設計と併せて、働いているスタッフにとっても動きやすい動線が確保されている設計を心がけなければなりません。受付をして待合室での待機を経て診察を受けますが、その動線内でスタッフが案内や誘導がしやすいこと、他の業務をしながらでも待っている患者様の様子が見られることは、作業効率を上げるために重要になってきます。
他にも心療内科や婦人科といった科目によっては、患者様同士が顔を合わせたくないと思ったり、診察内容が聞こえることを避けたいと考えたりするものです。
そういった場合にはプライバシーを重視して外から見えにくくなるような構造にしたり、院内BGMをうまく活用することが効果的になります。
このような事例はご自身で思いつくものもあれば、患者目線に近いプロの設計士だからこそわかるということもあります。そこでスタッフ目線と患者目線とを融合させて、どちらにとっても使い勝手の良い設計にすることが、安定的に患者様が来院するために大切な事項となります。

開業までに困ったら

多くの人がクリニックを開設するにあたって、あれこれと悩むことがあるものです。初めての経験であることが多いものなので、立地環境としてどのような場所を選べば良いのかということや、ビルのテナントに入ることが良いのか、それとも一戸建て物件を用意することが良いのか、資金はどこから調達するのか、借り入れる金額はどのくらいまでにしておけば良いのかなど、疑問はどんどん湧いてくるでしょう。そういったときにご自身だけで判断をするというのはとても勇気が必要ですし、誰かにアドバイスをしてもらいたいと思うこともあるでしょう。
そういったときには、第三者に相談をする機会を設けることが大切です。
全般的な知識については当社のような医療に詳しいコンサルタントに相談をするというのも一つの方法です。開業準備から実際に開業してからについてもサポートを行いし、ご相談にのらせていただきます。
また、財務的な問題については医療に詳しい税理士に相談をすることが一番の近道です。当社では、連携可能な優秀な税理士事務所をご紹介させていただくことも可能ですので、お困りの際はお気軽にご相談ください。