患者向けアンケートとは、実際に病院を利用した患者様に、その日の診察の様子や満足状況、意見などを申告してもらうことができるアンケートです。このシステムを取り入れている飲食店やスーパーなども多くありますが、クリニックもサービス業の一種ですので、実際の現場の意見を聞くことで様々なメリットを得ることができます。例えば、「受付の人の愛想が良かったから、安心して診察を受けられた」という場合は、スタッフのやる気に繋がり、向上心アップにも繋がります。反対に、「受付の人が無愛想で怖い」という回答内容の場合は、内容が事実かを確かめ、必要に応じて指導していかなくてはいけません。
院長は、常にクリニック全体の事を見ている事はできません。院長は診察業務があるので、スタッフを常に見ておくことには限界がありますが、患者向けアンケートを設置することでそれが可能になります。事実と違うことを意地悪で書く人も中にはいるかもしれませんが、書いてくれる人の多くの意見は参考になる物が多いです。意見を真摯に受け止め、今後の改善点に繋げるためにはどうすれば良いのかを考えることが、将来のクリニック経営を安定させることにも繋がるでしょう。
また、患者向けアンケートは利用者の待ち時間の良い暇つぶしになる場合もあります。質問をする内容は病院側で作成することができるので、イラストを入れたりユニークな質問を入れるというクリニックも少なくありません。これはもちろん個々のクリニックによって異なりますが、個性を出しやすい部分と言えるのが特徴でしょう。家族連れのお子さんが自分の意見を積極的に書くという場合も多く、その回答に思わずクリニックサイドが和んでしまうということも少なくありません。是非とも、積極的に取り入れたいツールと言えるでしょう。
患者向けアンケートの内容
患者向けアンケートの内容はクリニックによって様々ですが、下記のような質問を盛り込んでいる所が多くあります。まず、その日の診察の満足度や受付の対応、待ち時間など、診察に関しての質問です。また、先生の診察・診断には満足できたか、受付や看護師の対応は心地良かったか、病院の設備についての質問などを用意しているところも多いです。これらを数字の0から5で評価をするという場合や、良い・普通・悪いのように、単語に丸をつけて評価するタイプもあるようです。これらの質問の後に、病院への指摘や意見などを書くフリースペースを設けて、自由にコメントをすることができる内容にしている病院もあります。
次に、クリニックの立地や通いやすさなど、病院がある場所に関しての質問です。中には、どんな交通手段を使って病院に来たのかなど、利用者が来る状況を知るための質問を設けているクリニックもあります。回答次第では、駐車場の拡大や駐輪場の増設などを検討するクリニックも多いため、非常に効果的にアンケートが活用されています。
このように、患者さんの意見を生で取り入れることができる質問を盛り込んでいることが多く、意見を参考にしてクリニックに反映させている所が多いでしょう。回答内容を週一でミーティングなどを開いて発表する病院もあり、皆でディスカッションをする場を設けている所もあるでしょう。また、全員で見ずとも、院長先生などが毎日回答をチェックして、必要に応じてスタッフへの指導、伝達、評価、激励などを行っているという場合もあります。
患者向けアンケートはどのように作成をする?
患者向けアンケートを作成する際には、自力で作る方法や業者に依頼する方法などがあります。いずれの方法でも構いませんが、業者に頼むと料金もかかってしまいますので、コストをかけたくないが、どんな質問を設ければ良いのか分からないという場合や、アンケートを作る時間がない場合などは、インターネット上のテンプレートを利用するのが便利です。
最近では、サイト上にアンケートやクリニックで使用する張り紙などを無料のテンプレートで提供してくれるサイトもあります。事前に質問内容が入力されてテンプレートが用意されているため、テンプレートに合わせて作成をしていくだけでアンケートができ上がります。どうしても質問内容に入れたいことがある場合は、加筆・修正することをお勧めします。印刷の手間やレイアウトの手間もなく簡単に作ることができるので、忙しいクリニック関係者にはおすすめでしょう。また、保存したり大量印刷をすることも可能なため、用紙がなくなったらいちいちまた作成するという手間もいりません。用紙が無くなりそうになったら、原本を取っておき自力でコピーをするという方法をとると、パソコンが苦手なスタッフでも簡単にコピーができます。一度原本さえできてしまえば、コピー自体はそこまで手間ではありません。
また、用紙の種類やサイズ、材質などにこだわりを持って作成するというクリニックも多いため、必要に応じてこだわりを入れても良いでしょう。あくまで診察のおまけ的な存在ですので、あまりにも派手すぎたり存在感のありすぎる用紙にならないように、作成の際には配慮をしてください。